シリカはミネラルなんかじゃない


最近、ネットでペットボトル天然水の広告が頻繁に表示されます。

〜霧島山麓で採取した天然水〜

というだけならいいのですが、その広告は、

「シリカが豊富に含まれるので健康にいい」

と主張しているんです。

広告からそのまま引用すると、

@ 全身を構成する重要なミネラル『シリカ』

A シリカとは専門的な用語ではケイ素と呼ばれます

B 体のこの部分にも重要なミネラルとして関係します(髪・歯・血管・肌・軟骨・骨・細胞壁・爪)

本当なのでしょうか?

さっそく調査してみました。

その結果は・・・

<<@全身を構成する重要なミネラル『シリカ』⇒嘘である>>

根拠:厚生労働省のミネラル一覧表に、シリカは記載されていない。

今後の研究で、シリカがミネラルと認められる日がくる可能性がゼロではありません。しかし、実際にシリカをミネラルかもしれないと研究している公的機関は、探しても探しても見つかりません。

「シリカ」を盛んに話題にしているのは、営利企業やその関連団体に限られます。

分りやすく言うと、「売り込むためにでっち上げている」と言われても否定できないでしょう。

 

<<Aシリカとは専門的な用語ではケイ素と呼ばれます⇒間違っている>>

身近な物質に例えると

「水(H2O)とは専門的な用語では水素(H2)と呼ばれます」

と言っているのと同じです。間違ってますよね。

水と水素は全く別の物質です。水は飲めますが、水素は飲めません。もし液体水素を飲んだら、凍ってしまうでしょう。

もう一つの例です

「食塩(NaCl)とは専門的な用語ではナトリウム(Na)と呼ばれます」

と言っているようなもので、間違ってますよね。

食塩を舐めるとしょっぱいですが、ナトリウムを舐めようものなら、口から火がでるのではないでしょうか。

このように、

シリカは二酸化ケイ素(SiO2)でありケイ素(Si)とは全く別の物質です。

ケイ素(Si)は別名「シリコン」と呼ばれ、半導体の材料物質です。

一方、二酸化ケイ素(SiO2)は結晶性のもが石英、非結晶性のものがシリカゲルなど。

それなのに、「シリカ=ケイ素」と言い切ってしまっているのですから、この広告サイトの信憑性は著しく疑わしいと言わざるを得ません。

<<B体のこの部分にも重要なミネラルとして関係します⇒嘘である>>

「重要なミネラル」という点は@で述べた通り嘘です。

それに加えて「関係します」これは、それを示す公的根拠が探しても探しても見つかりません。

そればかりかWikipediaの「ミネラル」には次のように記載されていますので引用します。


以下の物質はミネラルであるとは認められていない。

「シリカ等のケイ素化合物」

機能等

「(途中略)意図的に多量に摂取した場合腎臓を傷害する可能性がある。人体での機能は認められておらず、欠乏症も存在しない。」


「関係します」という微妙な表現自体が気になります。「効果がある」と書くと薬機法違反になる、それをかいくぐるために使っている言葉と言われても仕方ないと思います。







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